アルテグラは私が一番初めに手に入れたリールである。番手は12アルテグラC3000HG。1万円ほどのリールをいくつか触って、このリール巻きの軽さに感動してこれを選んだ。それもそのはず、12アルテグラはシマノが軽さを追求した最上位機種ヴァンキッシュ譲りのマグナムライトローター搭載だったのだ!
1万円台で、マグナムライトローター搭載で、人気のあった12アルテグラ。12アルテグラ発売の5年後、満を持して17アルテグラが発売される。しかし17アルテグラはかなり不評となってしまう。。。
アルテグラに何があったのか、その変遷を見ていこう。
目次
12アルテグラはクイックレスポンス
まずはじめにシマノのスピニングリールに関して、「コアソリッドシリーズ」と「クイックレスポンスシリーズ」という言葉を知っておいてもらいたい。シマノのスピニングリールは大きくこの2種類に分けることができるのだ。
ステラを頂点とするコアソリッドシリーズ
コアソリッドは剛性を、クイックレスポンスは軽さを特徴としている。単純に重量を比べてみても、同じ4000XGの番手でステラは255g、ヴァンキッシュは200g。55gも違うのだ。当然巻き感も大きく異なる。クイックレスポンスシリーズのリールは巻き出しが非常に軽く、少しの力で回すことができる。
冒頭に書いたように、12アルテグラはヴァンキッシュ譲りのマグナムライトローター搭載である。12アルテグラの巻き出しの軽さは、初心者の私でも感じることができたほどだ。つまり12アルテグラに決めたのはクイックレスポンスシリーズであったからだといえる。
1万円台でありながらクイックレスポンスシリーズの12アルテグラはその異端性から一目置かれていた。そして2017年、ついに17アルテグラ発売を迎える。私を含む12アルテグラ愛好者は、さらなる進化を遂げたクイックレスポンスシリーズの17アルテグラを当然期待していた。。。
17アルテグラ発売と失望
満を持して発表された新型17アルテグラ。これがシマノ公式の17アルテグラ紹介ページだ。
あれ?
あれれ? ?
あれれれ???
右上をよく見てほしい。
コアソリッドシリーズだと...?
そんな...私たちが待ち望んでいたクイックレスポンスシリーズの17アルテグラはどこ...?
加えて、17アルテグラの前年に販売された16ナスキー
技術特性を見比べてもS A-RBしか違いがない。(S A-RBは普通のベアリングに比べて錆びにくいが、アルテグラについているのは1つだけだそうだ...)
一応ハンドルがねじ込み式かどうかという違いはあるものの、1万円を切る16 ナスキーより3〜4000円多くお金を出してわざわざ買う必要があるのだろうか。
当時の私の結論は、「17アルテグラ買うくらいなら1つ上のストラディックを買うか、ナスキーを買うだろう」となった。実際に初心者の人には16ナスキーを勧めており、17アルテグラを勧めることはできなかった。17アルテグラにはただただ失望していた。
そして21アルテグラ発売へ
17アルテグラへの失望から4年、ついに21アルテグラの販売が発表された。
大変残念ながら、コアソリッドシリーズであることに変更はない。しかし注目してほしいのはその技術特性だ。17アルテグラと比べて以下の5点が進化している。
・マイクロモジュールギアⅡ
・ロングストロークスプール
・サイレントドライブ
・Xプロテクト
・ワンピースベール
19ストラディックとの技術特性の差はHAGANEボディのみ、ステラとの差もHAGANEボディとリジッドサポートドラグのみとなった。
ここまで進化したのであれば、17アルテグラへの失望も取り戻せるのではないかと思っている。最終的には実際に店頭で触ってみて判断するが、現時点では期待のほうが大きく、楽しみなリールだ。
今回こそ想像以上の出来であることを願ってやまない。私が使ったことのある3000番リールはアルテグラだけなのだから。これからもそうでありたい。